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発がんとはがん遺伝子が作動した結果
JUGEMテーマ:がん全般

人間の遺伝子のうち解明されている遺伝子は今のところまだわずかですが、これらの遺伝子は、四つの文字で表現される約三十億もの情報から出来ています。ところが、これらの遺伝子のうち実際に稼働しているのは、全体のわずか数パーセントで、多く見積もっても高高一〇パーセント程度であって、それを超えることはないといわれています。


このように、遺伝子の中には現在、作動していないものが数多くあるどころか、むしろ作動してない遺伝子の方が多いのですが、それは体にとって都合の悪い遺伝子は作動しないようにしてあって、眠らせてあるのかもしれません。いずれにしても、細胞の中には、その作用が全く判らずに何をしているのかわからない遺伝子がたくさんあります。それでも健康な生活を維持するためには、遺伝子が調和を保ってバランスよく働くことが必要であったのです。


当然、これらの遺伝子の中には、むかし活躍していた無限の細胞増殖を起こす遺伝子も入っています。それががん遺伝子です。最近の研究によると、このようながん遺伝子は何十種類も見つかっていて、普段は正常細胞の核の中にあって稼働することなくじっと静かにして眠っているといいます。


これらの無限の細胞増殖を起こす遺伝子は太古の昔、単細胞時代には重要な使命を持って働いていましたが、単細胞から多細胞になる進化の過程で、これらの遺伝子にいろいろなブレーキがかけられ、働くことを禁止されていたのです。


がんが出来る原因にはいろいろありますが、最近の科学では、発がんとはがん遺伝子が作動した結果であると統一的に解釈されています。しかもこれらのがん遺伝子はどの正常細胞の中にも入っていて、普段は静かに眠っていて起動することはないといいます。


これらの遺伝子の眠りを覚まし起動させる原因物質が発がん剤です。発がん剤にはいろいろな種類がありますが、いずれの発がん剤も、がん遺伝子を刺激して起動させる物質であったのです。


この事実を実証した人が平成七年度の文化勲章受賞に輝いた花房秀三郎教授です。教授は京都大学ウィルス研究所のご出身で、米国ロックフェラー大学の教授として研究を重ねられ、現代の腫瘍学の基礎を築いた方です。

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免疫治療専門医 中嶋靖児
中嶋靖児 著

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