未分化型がんと分化型がん
JUGEMテーマ:がん全般

がんと胎児には共通蛋白があり、がんはどこか胎児に似ていました。無限に増殖するがん細胞は、これも無限に増殖する太古の海の単細胞生物にもっとよく似ていたのです。そうしますと、今まで正常であった細胞が、自分の遺伝子の突然変異でがんになるということは、細胞が太古の海で生きていた頃の細胞に戻ることになります。がんは「細胞の先祖返り」であったのです。


太古の海の中で、勝手気ままに増殖していた頃の、原始単細胞生物に近い性質を持つがんが未分化型がん細胞です。一方、無限に増殖する力は持ちながらも、多細胞管理社会の影響を受けて、正常の細胞の顔も幾分兼ね備えているがんが分化型がん細胞ということになります。両方とも無限に増殖するという点では同じですので、その意味では両者とも悪性細胞ですが、分化型と未分化型とではその程度が違います。前に述べた肺癌はこの両者がわかりやすい形で現われた癌であったのです。

| がんは細胞の先祖返り | 05:08 | comments(0) | - | pookmark |
細胞の本来の姿は「がん」である
JUGEMテーマ:がん全般

日本で初めての生体肝移植が行なわれたのは平成七年のことでした。子供が持っていた病気の肝臓を取り出し、かわりに父親の健康な肝臓の半分を子供に移植する手術です。残念ながらそのとき移植された肝臓は生着することが出来ないで、手術は失敗に終わりましたが、半分切り取られた父親の肝臓は、半年もすると元の大きさに戻るといわれています。肝臓の細胞は増殖する力が強く復元力の強い細胞であったのです。


ところが半分に切り取られた父親の肝臓は、もとの大きさまで育つと、それ以上には大きくならないというから不思議です。正常肝細胞は細胞同士が情報を出し合い互いに監視し合い、本来あるべき大きさまでに増殖するとその成長は自然に止まるといいます。自分の集団の細胞の数や大きさを肝臓はちゃんとわかっていたのです。自動的に細胞増殖にストップがかかり、それ以上に増殖することはありません。これが細胞の管理社会です。


なんとすばらしい機能を持っている集団ではありませんか。どこかの国のおえらいさんのように、手に入るものなら何でも、かき集められるだけ集めようなどというがめつい心は持ち合わせていません。限度をわきまえています。この情報も細胞の中の遺伝子に書き込まれてあったのです。


ところが肝臓癌は違います。癌細胞は増殖し続けて留まることを知りません。停止の命令には一切従いません。いや、むしろ細胞増殖にブレーキをかける遺伝子が働かなくなったものが癌なのかもしれません。しかも、肝臓癌はただ単に細胞の数が増加して肝臓が腫れるというだけではありません。癌細胞は肝臓から飛び出して、行った先のどこででも生き延びることが出来ます。そして、いろいろな所に自分の出張所を作ってしまいます。


ところが、正常の肝細胞は肝臓の中でしか生きることは出来ません。肝臓の中で、細胞同士は互いに協力し合い共同生活をしています。ところが、癌細胞に変身した瞬間、細胞の性質は変化し、どこででも生活することができるようになります。これががんの転移です。そして、その出先で何食わぬ顔をして再び増殖を開始します。


この姿は、太古の海の単細胞生物が、どこにいてもエサの続く限り無限に増殖する姿とよく似ています。私たちの体を作っている細胞は、突然変異で癌細胞に変身して、無限に増殖することの出来る細胞の元の姿に戻ったのです。それは細胞の先祖返りであって、そうなることで他人に管理されることなく、自由奔放に生きることの出来る細胞本来の姿に戻ったのです。細胞本来の姿は、無限に増殖することの出来るがん細胞であったのです。

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免疫治療専門医 中嶋靖児
中嶋靖児 著

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